【新型コロナウィルス】PCR検査数を増やすことに意味はあるか?

PCR検査数を増やすことが大事!」

 

という記事や意見に疑問を感じる。

 

治療薬やワクチンがない中で、感染者がわかったところでどうするのか?

 

テレビ(ひるおび※)のコメンテーターは、

「感染者の全体像を把握することが必要」

と声高に言っている。

 ※会社の休憩スペースのテレビは、いつも「ひるおび」になっている

 

これ(全体像の把握)は、

 ・治療薬がある

 ・ワクチンがある

 ・空気感染がある

場合には必要な処置だと思う。

 

しかし、

新型コロナウィルスは空気感染はしないと言われている(『新型コロナウィルスの真実』より)。

★↓↓↓2020/5/14更新★

2~3メートル程度の飛沫が飛ぶ距離では、空気感染のリスクはあるもよう。

★↑↑↑2020/5/14更新★

また、前述のとおり、治療薬もワクチンもない。

 

さらに、PCR検査自体、精度が6~7割と言われている。

偽陰性」の可能性がある検査だということを、コメンテーターや記者はわかっているのか?

PCR検査をすれば、白か黒かはっきりわかると思っていないか?

 

偽陰性、つまりPCR検査をして、

「あなたは陰性でした」

という結果が出ても、

「実は陽性でした」

という人が3~4割いる可能性がある、と。

 

それなら、短期間きつい規制で外出自粛をして、ウィルスが散らばらないように努めた方が効果がありそう。

 

 

 

少し別の視点から。

 

検査して、

「コロナだ!」

となった人の心理はどんなものか?

 

落ち着いて自宅療養できるものなのか?

急な容体悪化が怖いから、

「入院させてくれ!」

となるんじゃないかな?

 

でも、そうやって集団パニックに陥る可能性が高い。

 

医療体制や関係者を含めて総合的に判断(安倍さんの好きなセリフ)しないといけない。

 

・受け入れる病院に人員の余力はあるか

・病床は足りているか

・集中治療室は足りるか

・機材は足りるか(人工呼吸器、人工心肺など)

 

PCR検査を増やせば、それに関わる人も必要になる。

 

 

検査数を増やせ!

という人は、感染を100%抑え込まないとダメだと思っていないか?

国などの大きな組織は、

「これだけの犠牲に抑える」

という考え方動いているはず。

 

ここに識者(と言われている人)との間に齟齬がある気がしてならない。

 

★2020/5/10更新★

5/9のBBCニュースより以下抜粋

イタリアで8日、新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)の死者が欧州連合EU)加盟国で初めて3万人を突破した。

イタリアではこの日、新たに243人の死亡が確認され、死者数は計3万201人に達した。1日あたりの死者数としては、前日7日の274人よりも減少した。

1日に確認された新規感染者数は1327人と、わずかに減少。感染者数は計21万7185人となった。

 

イタリアでの1日の死亡者が、日本の1日の感染者を上回っている状態。

各国の検査数は感染者の何倍も実施している。

「感染者数を把握できている」

と言えるかもしれないが、これだけ死者が出ていたら、

「良く対策できている」

なんて言えないよな…

 

日本は、

「検査数を増やさずに外出自粛を要請」

でここまで抑えてきている。

海外の記者からも、検査数の少なさを指摘されていた。

でも、このまま外出自粛を続けてウイルスの蔓延が落ち着いて来てから(=余力が出て来てから)、多くの人を検査しても良いのでは?

蔓延が落ち着いた(であろう)状態で陽性数(陽性率)が下がっていたら、そこで初めて規制を緩和しても良いと思う。

 

★2020/5/11更新★

5/9のサンスポ記事から抜粋。

女医でタレントの「おおたわ史絵(55)」のブログから引用。

以下、おおたわのブログ。

「日本のPCR検査、増やせ、増やす、と毎日言われながらなかなか増えていない。あたりまえだ。できる場所が限られている。やる医者が少ない。いや、医療を責めているわけではない。」

「(海外の検査が速やかに進むひとつの理由として)軍隊の医師の存在がある。彼らは日常的に生物兵器に対する演習として、防護服や汚染物の扱いに長けている。だから迷いが少なく、コロナにも向かっていける」

「(しかし)日本には軍医がいない。前線で鍛えられた医師もいない。大多数の医師は防護服を着たことがない。見たこともないドクターだっていたことだろう。もとから世界で最も清潔な国のひとつゆえ、疫病対策には重点が置かれていなかった。そんな慣れない彼らが自衛隊の指導のもとに検査を始めている。せめて彼らに保障を、経済的、安全、テクニックのバックアップを」

自衛隊防衛医大、海外の医療部隊、できるだけ多くの力を借りるべき」

「戦争のない平和な日本。疫病の少ないきれいな日本。そんな私たちの一番の弱点が、今まさにある問題点」

 

★2020/5/14更新★

『「PCR検査せよ」と叫ぶ人に知って欲しい問題』(東洋経済オンライン(5/12)より)

https://toyokeizai.net/articles/-/349635

 

・特効薬がない中で、重要なのは命をつなぐ治療だ

検体採取の仕方がまずいと「ある」ものも「ない」ということになる。だからPCR検査をやって陰性だから安心だということにはならない。職場から「陰性の証明を持ってこいといわれた」という話があるが、そのときに陰性でも翌日に陽性になることもある。つまり、検査を受けた人にとって「陰性」という結果の使いみちはないんです。

 

そうすると、陰性だったから安心して活動できる、陽性だから隔離しないといけない、という判断には使えないということですね。

だから、PCR検査をする目的はなんですか、と問いかけたい。

インフルエンザのように効く薬があってすぐに処方してくれるということなら、やる意味はあるでしょう。「陽性」という結果は役に立つことになる。そうではない現状ではやみくもな検査は意味がない。

いつまでもやってくれないという話が出ているが、症状が悪化したらCTを撮ったり呼吸を見たりして肺炎の治療をきちんとやっているわけです。特効薬がない中では命をつなぐ治療が重要だ。

 

もしコロナだったら家族にうつしたくないから知りたいという要請はわかる。東京では院内感染が起きているので、医者が心配だというのも共感します。ただ、インフルエンザ並みに市中に感染が広がっているわけではない。全体としてコロナにかかっている人はごくわずかな中で、とりあえずコロナかどうか確認したいから検査をするということは、PCR検査に関わる資源に限りがある以上、無理な話だ。また、陰性だから安心できるというものではなく、防御はいずれにしても必要だ。

 

――RNA抽出からDNAの増幅・検出まで全自動で行う検査機器の開発も進んでいるようです。

全自動で検査できるPCRの機種は限られていて現状ではどこの施設でも使えるわけでもない。主要なメーカーはアメリカ企業なので急に大量に購入しようとしても供給を受けられるのかわからない。値段が高くて簡単に購入できないという問題もある。今各地の衛生研究所にある機器の多くは新型インフルの大流行のあとにようやく配備されたものだ。また、全自動だからと際限なく検査すれば、同じように試薬やそのほかの資材の不足が生じる。

全自動では技師のミスによる偽陽性がたくさん出るということはなくなるだろう。だが、感度が高いことによる偽陽性の問題や検体採取の難しさによる偽陰性の問題など、PCRの根本的な問題はまったく解決しない。むしろ「全自動」という言葉が独り歩きして、医師を含む一般の人たちが無謬(むびゅう)の検査のような印象を持つことが怖い。

 

――簡易検査も盛んに喧伝されています。

最近は、イムノクロマト法で抗原検査なら簡単で15分でできるという話が出てきた。それでよしとするなら簡単だけれど、実はその感度がPCRに比べたらすごく低い。ほとんど陰性になって、それで済まそうというのは悪魔の誘惑だ。それで出た結果を従来のPCRによる結果と同じと見るんですか、という問題が生じる。その結果の解釈と使い方をあらかじめ決めておく必要がある。それがないとこれも混乱の源になりかねない。

 

---ここから持論---

どんな検査(や検査キット)を実施しても、その感度(精度)が大事。

今世の中では、

PCR検査 = 無謬の検査』

と扱われている印象がある。

 

5/11頃の「ひるおび」で、簡易検査の話があった。

〇〇という簡易検査(名称は忘れた)をまず最初に実施。

(これは「偽陰性」の可能性があるため)「陰性」と出たらPCR検査を実施。

この2段構えで検査数を増やしていこう、的な話だった。

 

どちらかの検査で「陽性」となれば隔離。

両方で「陰性」となれば安全?なの?

(感度が6~7割と言われている)PCR検査より感度が低い簡易検査って、意味あるのか?)

---ここまで持論---

 

検査資源に限りがある中でどう戦うのか

――新型コロナの感染が長引き、特効薬やワクチンの開発には時間がかかることを前提に、資源が限られた中でPCR検査をどこまでやるのかを決めておく必要があるということですね。

流行が落ち着いてきている今の状況であっても、手術前には新型コロナの陰性確認を全例でやりたいとか、出産する人の全員を検査したいとか、気管切開する前は必須だとか、発熱で来た人には全部やれとか、現場の医師はそれぞれの立場から要求を出してきている。

気持ちはわからないわけではないが、現実的には線引きして優先順位をつけないと大変なことになる。輸入も国産も含めてどこまで資材を準備できるのか。今、弾を撃ち尽くしてしまったら、冬に大流行したときに撃つ弾がないということになる。

 

さらに、検査を増やして陽性になった人たちをどうするのか、今でも感染症に対応できるところが少ないため、軽症者は自宅待機とかホテル療養とかいっているわけで、そこをどうするのか。

少なくとも症状が出ていない人を調べまくるというのはまずい。症状の出ていない人がうつしまくっているといわれるが、本当にどれほどそうなのか。今、症状が出た人のクラスターを追う中で、発症した人がうつす割合は2~3割だというのに、そうした状態にあるとは思えない。特効薬がない中で重要なのは治療なのに、検査ばかりして偽陽性も含めて全部治療に回すということになれば、まさに院内感染によるものとは別の意味での医療崩壊が起きる。

 

発症前の感染者がどんどんうつしているという話をする人も、そうしたデータを示していない。データがない中で誰がどういう根拠で決めているのかわからない。検査でいえば具体的なところは国立感染症研究所が決めているということだけはわかるが、どういう議論をして何を根拠に検査に関わる基準を決めているのかがわからない。これを教えてもらいたいと思っても、あるいは不都合があるからここは変えたほうがよいとお願いしたくても、われわれには何もできず切ない思いをしている。

 

検査の目的をはっきりさせてほしい

――基本的な疑問なんですが「日本はPCR検査で出遅れた」「発症者のクラスター対策では不十分だ」という声があっても、人口対比の死者数は欧米より2桁少ないです。これから増えると主張する向きもありましたが、そういわれてからもう1カ月以上がたちました。

死亡者に関していえば、日本ではちゃんと把握をしている。肺炎で亡くなる人はそんなに増えていない。今のところ何らかの交絡因子(因果関係に対して、間接的に影響する変数)もあるもしれないが、超過死亡(感染症の流行の際に過去の統計などから予想される死者数を実際の死者数が上回る部分)で見ても死亡者はほかの年よりも低いくらいであると聞く。終わりのところで拾い上げた数字で見てそうなのだから、検査が少ないので感染のほとんどを拾い切れていないという言い方はおかしい。